吃音で悩む方の主な問題とは?

・就職面接では言葉が出にくくなり、内定がもらえません。

・就職後、職場で理解されにくいです。

・学校ではいじめの対象にされてしまいます。

 

 

吃音って何だろう?

1.症状

 

 吃音(きつおん)は、話し言葉が滑らかに出ない発話障害のひとつです。単に「滑らかに話せない(非流暢:ひりゅうちょう)」と言ってもいろいろな症状がありますが,吃音に特徴的な非流暢は、以下の3つのどれか1つ以上が見られることです。日本国内においては「どもり」、「吃音」とも言われているが、特に近年「どもり」は差別用語や放送禁止用語とみなされており、公の場で使われなくなってきています。

 2005年より、吃音症は発達障害者支援法に含まれるようになっています。また、平成28年4月より、障害者差別解消法が発足しています。

 

国立障害者リハビリセンターの発達障害情報・支援センターの説明

http://goo.gl/rrPWrE

 

障害者差別解消法の詳細は

障害者差別解消法ってなに?

 

(1)音のくりかえし(連発)、例:「か、か、からす」

(2)引き伸ばし(伸発)、例:「かーーらす」

(3)ことばを出せずに間があいてしまう(難発、ブロック)、例:「・・・・からす」

上記のような、発話の流暢性(滑らかさ・リズミカルな流れ)を乱す話し方を吃音と定義しています 。

 

 

 

 その他にも、言葉が出にくい時に顔面が震える事があったり、手足などが動いたりしてしまう「随伴運動」という症状がある人もいます。

 また、「あのー」、「えーと」などの言葉を付ける「挿入」(逃避行動)、どもることを恐れて話すこと自体を避けてしまう「回避」などの症状が見られます。そのため、表面的な症状の重さと悩みの深さは、必ずしも一致しないということが言われています。

 

 吃音が起こる状況も人それぞれで、「緊張する場面でどもる」という人もいれば、逆に「リラックスしているとどもる」人もいます。また、自分の名前や特定の音など、「苦手で言いにくいと感じている言葉」を持っている人が多いとされていますが、状況によってはすんなりと言えることもあります。

この捉えどころの無さが、吃音の難しさのひとつになっています。

 

2.吃音の種類

 

 多くの人は子供の頃(3~4才)に発症し、程度の差はあれ、全人口の約1%が吃音を持っていると言われています。 なお、女性よりも男性のほうが多く、男女比は大体4:1とされています。国による差はないという研究結果が確認されています。

 

 成長の過程でどもるようになった「発達性吃音」、その人の脳からの神経伝達機能に起因する「獲得性吃音」、心理的な要因から生じる「心因性吃音」といった種類があると言われていますが、それぞれの区別をする事はとても難しいです。

 

3.吃音の原因

 

 

 吃音の原因として、体質、ストレスへの反応、脳機能の特徴など様々な可能性が指摘されていますが、未だはっきりとしたことは解明されていません。そのため、治療方法も十分に確立されておらず、現在に至っています。

 

 吃音症でも特に重度で症状が固定化している場合、自殺率等も高いため、吃音を障害認定している国もあり、例えば、アメリカでは連邦障害者法、ニュージーランドでも法律により障害として扱われます。ドイツでは重度の吃音に限り、障害認定を受けることができます。このように、法的に吃音症患者を保護する体制作りが各国で求められている。日本国でも、2005年より吃音が発達障害者支援法に含まれるようになり、精神障害者保健福祉手帳を希望すれば取得できるケースがあるも、吃音者に対する法整備があまり進んでいなく、吃音の社会的認知度向上が課題となっています。